タイから帰ってきました。
今回は
・ホアヒン旅行
・ビッグマウンテンミュージックフェス
・銀行口座開設
と盛りだくさんでした。というわけで、Saliva Bastardsの勝手PVでfriday night。
東京都現代美術館のアピチャッポントークに行ってきた。カンヌのパルムドールを受賞した作品「ブンミおじさんの森」(英題"Uncle Boonmee Who Can Recall His Past Lives"/タイ語タイトル"ลุงบุญมีระลึกชาติ")の東京フィルメックスのプレビューと東京都現代美術館の「トランスフォーメーション」展に合わせたトークでした。
こちらが「ブンミおじさんの森」のトレーラー。
トークの内容はざっくりいうと、
*「ブンミおじさんの森」にいたる一連のプロジェクトの話とそれがどう「ブンミおじさんの森」になっていったか
*森についての過去の作品といまやっているプロジェクト、考えていること
という2本立てでした。
「ブンミおじさんの森」はぼくはタイで一般上映している時に見ました。(バンコクで終わっていたので、近郊の海の町バンセーンまで行った)。
そのときにはいろんなアートプロジェクトをコラージュしたような映画だなと思い、難しいな!というのが第一印象でした。「難しい」っていうのはアピチャッポン作品についてよく言われるけど、なんていうか今回はとくにタイ人的なバックグラウンドっていうか基礎知識っていうかそういうものがとっても必要な映画なんじゃないかなーと感じてしまいました(同監督のアイアンプッシーのように)。「Tropical malady」や「Blissfully yours」「世紀の光」ように胸ときめく前に「ネタのコラージュ」では?なんてもやもやが頭のなかをぐらんぐらんしてしまったんです。
でもこのトークを聞いていろいろわかった気がした。primitiveという東北タイを記録していこうという考え(プロジェクト)がまずあって、東北地方に滞在して、「前世を思い出す人」、共産主義の村、など過去とから現在までのことを深く知って、滞在していくなかで人と(主に男と)関わって、そこでいろいろな映像をとって、インスタレーションやショートフィルム、ミュージックビデオという形でのこしてきた。アピチャッポンにとってひとつづきのそのプロジェクトのまとめが「ブンミおじさんの森」。
おおー!なるほど「いろんなアートプロジェクトを箱にいれてエディットしましたよ。」っていうのではない、東北地方にのこるタイっぽさとか物語とか歴史とかをちょっとづつ紡いで行く、強い一貫性みたいなの感じる!難解な感じ全然しなくなりました。映画だけではなくて、いろいろなインスタレーションなんかも触れて行くと深みがでていくというか、逆にインスタレーションなんかにもとても興味がでてきました。というか全然最近のプロジェクトの意味わかってなかったです。エメラルドの字幕やったくせにね。
ネタっぽい話その1
ナブアに滞在していた時に「宇宙船を作ったり、MVを作ったりして暇をつぶしてた」みたいな話がでてきましたが、そのMVってモダンドッグのฉันยังคงหายใจなんだね。リバプールの展覧会では展示していたみたい。これみてみたいなー。
ปลุกผีคอมมิวนิสต์แห่งบ้านนาบัว | PRIMITIVE INSTALLATION @ FACT LIVERPOOL | โอเพ่นออนไลน์ "เพลง ‘ฉันยังคงหายใจ’ ของวงโมเดิร์นด็อก" http://bit.ly/cNbtLB宇宙船の中
その2
バンコクでとった(はず?)「エメラルド」(MOT収蔵作品)もこのシリーズと関係がないわけではないみたい。途中でジェーンおばさんが話す、動物の形をした木の話も、この東北地方の旅の途中で出会ったみたい。ジェーンおばさんの話は昔の話かもしれないけど。洪水で水浸しの公園に動物の形をした木が生えている写真をみせてくれました。
なんかすごい広いなアピチャッポンの世界。その世界を綺麗でドリーミーな形で提示してくれてるんだなーと。ますます好きになりました!"Uncle Boonmee Who Can Recall His Past Lives"
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最後におまけで映画のエンドロールでながれる曲。Penguin villaのacrophobia。フィルメックスのQ&A でアルンさんが質問したみたいだけど、この曲の起用自体には特に深い政治的な意味合いはないんじゃないのかなーと思うんだけどね(王様うんぬんの)。
このacrophobiaじゃないけど、penguivillaの名曲「koon(すねる)」も入ってるsmallroomのコンピレーション。トロピカルマラディの曲straightもこのCDできけるよ。ぼく選曲です。(たまには自分の仕事PR)
あと、音楽についてアピチャッポンにインタビューさせてもらったvoid chickenのブンミレポートこちら!インタビューのってる冊子も買えます。
art blog void chicken DAYS "アピチャッポン・ウィーラセタクン「ブンミおじさんの森」を見た" http://bit.ly/b4E3ht
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というわけであとはぼくが思い出すためのトークのメモ。
まずprimitive projectという一連のプロジェクトをはじめた。インスタレーション、短編、本当、長編からなるプロジェクト。そのはじめが「モバイルマン」という映像作品。ピックアップトラックの上で自分の肉体をみせる若い男たち。視線の交換をテーマにしたらしい。
Primitiveプロジェクトは自分の出自、東北タイの変化を記録しておくというのが動機のプロジェクト。すごい勢いでかわる東北タイの変化を記録しておきたいと思った。その過程で「ブンミじさん」の話を聞く。ブンミおじさんは前世のことを覚えてるおじさん。お坊さんが「前世を思い出す人」という本を出版していた。
ブンミーの本、過去をおぼえている。東北タイの代表
過去をおぼえている少女とあう。現実の記憶、過去の記憶を記録
洪水、ひとの前世、動物の形のの木洪水。共産主義、ヒンドゥー仏教寺院
逃亡のテーマ、共産主義、国境、紛争、プロパガンダ映画、
ナブア村、共産主義の拠点、軍隊が寺でキャンプ。村から逃れるためにジャンルへ、踏み絵、博物館
前世をおぼえてる人間、ブンミーさんの写真
影響うけたもの、幽霊、愛する人、死んだ人、生きてるひと、夢の物語。境界がない物型。
タイ化政策と映像をとること
若者との交流。若者とのプロジェクト。宇宙船をつくる。MV。
照明弾の色が美しいけれど、危険なもの。
女の人だけがのこる村。昔は共産主義、いまは経済的理由、タイの政治的状況
記憶にのこる映像のつくりかた。あつめる。
幽霊が歩いて燃えて行く、光に興味がある、炎
家を記録していった
ブンミーおじさんへの手紙
雷
ゴリラを村に登場させる
猿とのインタビューをとった。
欲望、自然との出会い
原初への欲求
ジャングルのプロジェクトへ。ツタが広がる国立公園の問題。
motのアピチャッポントークの後、ウィットとタイのみんなとご飯。
のみくい処 きくちゃん - 清澄白河/居酒屋 [食べログ] http://bit.ly/cRAEPQ
やすくて美味しい個人経営の居酒屋さん。motでご飯食べるのまよったらここおすすめ!タイ人も気に入ってました。
その後ウィットと青山の中西で3時まで飲んでたんだけど。
ひさしぶりに映画みてきました。
脇役物語 | Cast me if you can http://bit.ly/9VIF9B
プロデューサーの宮川さんが一回事務所に遊びにきたことがあって、その時にこの映画の話を聞いたんです。それから楽しみにしてました。宮川さんは監督の緒方さんといっしょにタムのライブを見に来てくれたこともあった。
映画は、日本映画のような日本映画ではないような不思議な感触のコメディ。編集とかテンポとかなのかな。シリーズみたくなって、益岡さん残ってヒロイン変わって、みたいな続編見てみたいっすw映画の中で「ウディアレンの日本リメイク映画をとる」っていう設定がでてきてたけど、そういうことやりたいのかなあ。
松坂慶子さんって、だいぶかっぷくよくなってるんですねかるくショック。かわいいんですけどね。
著者経由、Fくんに借りた本。
ビルマ人たちとの日々のエッセイ。在日ビルマ人社会の日本人助っ人、お父さんのような存在の著者。軍事政権、亡命、オーバーステイ、他民族の問題、ビルマという国、ビルマ人という人々の大変な今の境遇がよくわかる。
田辺さんは陽気な方ですが、背負ってるものが大きすぎて目眩がする。1943年生まれの日本の若者が「ビルマ語をやる」ということはこういうことなのかということをとことん思い知らされる、覚悟の本だなあ。そしてそれが2010年の今「ビルマ語をやる」ということにおいても有効だというのにも目眩がする。
ビルマはものすごい国なわけで今もって尚こういうストーリーが有効なわけですが、そのすぐお隣のタイの「タイ語をやる」ことからこういうストーリーが消え始めたであろう頃(いや、ぼくが見てないだけかも)からタイを見始めたぼくが「タイ語をやる」意味ってなんなんだろう?と改めて考える。ぼくがタイに貢献できることってなんだろう。どういうことをやっていったらいいだろう。それが地方の貧困救済の活動をするとか、臓器売買阻止しなくては、とかそういうことではないことだけは分かってるんだけど。
2年ぐらい前にあった詩人の人が、絶食を折に触れて行うと言ってた。「コンビニにはいるとご飯が目に飛び込んできて、食べなくてもいいのに食べてしまう。24時間も」「人間は目の前のご飯を食べないでやりすごすようにはできていない」の様なことをおっしゃっていた。で、コンビニがないような所を選んで住んでるんだって。
ぼくもそれからコンビニにはいるとたまにそういうことを思って、なるべくコンビニに行くことが生活習慣にならないようにつとめたり、でもやっぱりピルクルにはまったり、甘いコーヒーにはまったりしてきた。100円おかしシリーズにはまったりしてた。
コンビニで煽られるのってご飯への欲望だけじゃないよね。雑誌もそう。コンビニで雑誌みてるとくらくらする。ぜんぜんいらないはずのものが目に飛び込んできてほしくなる。飛行機のいいシートにすわりたくなる。無駄に瀬戸内に遊びに行きたくなる。興味のない鞄とか欲しくなる。
雑誌だけじゃなくてインターネットもそうだよね。ブログなんて、欲しくもない製品や本、サービスのおすすめばかり。アップル製品とか。企業のブログだけじゃなくて個人のブログもそう。なんでおすすめばかりするんだろう。買いたくないのに。本も読みたくないのに。ぼくのある対象にかけられる時間なんてものすごく少ないのに。
でも、みんなが自分の好みとか必要なものとか食べなくちゃならないものとか読まなくちゃならないものをしっかり認識していて、それ以外には関心を移さなかったら全然経済まわらないからなあ。というのもわかる。でも日本的なこういう欲望ビジネスにはたまに疲れます。
というわけで週末から欲望タウンバンコクへ行ってきます。
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